Suicaって皆さん知ってますよね?
あの可愛いペンギンがトレードマークの緑色の交通系ICカードです。
実はあのSuicaを世界中の人が使う可能性があることをご存知でしょうか…?
Suica誕生
電車に乗る際に、定期券や乗車券をいちいちカバンから出すのが煩わしいという声から、
Suicaの構想は生まれました。
開発をスタートさせたJR東日本は「200ミリ秒内も非接触ICにより改札処理を完了させる」
という要求仕様を提示していました。
これは、1990年代の田町駅における朝のラッシュ時をシミュレーションした結果であり
「1分間に60人が捌けるようになる」ための仕様になります。
この仕様を満たしたのが、ソニーが独自に開発した「Felica」という非接触ICカード技術でした。
made in Japanの技術を載せて誕生したカードがSuicaでした。
普及
Suicaは爆発的に普及します。2001年11月18日のスタートからわずか19日で100万枚を突破しました。
そして、2021年9月16日にはsuica・PASMO含める交通系ICカードは2億枚を突破しました。
要因としては下記が考えられます
- 圧倒的な処理スピード
- 電子マネーとしてショッピングに利用可能
- モバイルsuicaの誕生
キャッシュレス化の流れになると、交通系と普段のショッピングを両立できる手段として
有力な決済手段となっており、さらなる普及の追い風となっています。
世界標準の壁
Suicaの処理能力を支えているのはFelicaという技術であることはお伝えしました。
FelicaはNFC(国際的な通信規格)でいうとタイプFに分類されます。
NFCには他にタイプAとタイプBがあります。
実は世界シェアはタイプAとタイプBが多くを占めているのです。
確かに処理スピードは圧倒的にタイプFが早いですが、読み取り端末の設置コストは高いです。
日本のようなラッシュが存在しない海外は、そこまでの処理スピードは求めておらず、
タイプA/Bの方を採用することが多いです。
そんな中、交通系ICカードを世界共通にしようという流れが来ています。
どの国に行っても、同じ交通系ICカードで、電車等の交通機関を使えるようにするということです。
現状ですと、実質的な世界標準になってるのはタイプA/Bです。
もし世界中でタイプA/Bが標準となって来ると日本がガラパゴス化してしまいます。
かと言って日本がタイプA/Bを採用したとすると、大幅な変革が必要になる上に、
処理スピードに不安があります。
この流れにどう対応していくのか、日本は難しい立場にいました。
Appleからの求愛
そんな中、iPhoneにFelicaが搭載し、Apple payにSuicaが搭載されたのです!
グローバルスタンダードな製品を作ってきたAppleがFelicaを採用したことは、
非常に大きな意味を持ちます。ついに、Suicaの市場が海外に拡大されました。
そもそもAppleがガラパゴス化していたFelicaとSuicaを採用したのでしょうか。
理由はおそらく2つです。
- iPhoneの日本シェアが高い
- 東京五輪(2020年)
当時、アップルの業績は落ち込み傾向にありましたが、日本だけは売上が伸びていました。
日本のスマホ市場でアップル製品は5割のシェアがあります。
その主要な市場で売り上げをアップしょうとSuicaを搭載したことが考えれらます。
また、東京五輪が開催されると、日本に外国人が多く訪れます。
このタイミングで利便性の高さを感じてくれれば、iPhoneへの乗り換え需要が狙えます。
国内でSuicaが使えれば電車や買い物で大活躍します。煩わしい切符購入も楽になります。
最後に
いかがだったでしょうか。
世界中で使われる可能性を秘めたSuicaについて書かせていただきました。
日本の技術が世界に羽ばたくのは非常にロマンがありますよね。
こうご期待ですね!